インド国 オリッサ州
総合衛生改善事業

国・地域
インド
発注者
オリッサ州上下水道公社
実施期間
2010年~実施中

プロジェクトの背景

インドでは都市部への急激な人口流入や工業化に対して下水道整備が追いついていないため、汚水が未処理のまま河川へ排出されており、河川の水質汚濁と都市部の生活環境の悪化が深刻です。インド東部にあるオリッサ州は貧困率が国内で最も高い州で、州都であるブバネシュワール市は急激に人口が増加(1981 年:22 万人→2001 年:65 万人)していることもあり、下水道整備が追いついておらず、地域住民の衛生環境の悪化及び周辺河川の水質汚濁を生じています。ブバネシュワール市より25km北に位置するカタック市は、1949年まで州都として栄えた都市で現在も州内の商業活動の中心となっていますが、マハナディ川・カタジョリ川の中州に位置しており、雨水排水施設が不十分で雨期には市内の低地が冠水します。また人口増加に対して下水道施設の整備が追い付いていないのはブバネシュワール市と同様です。

カタック市の雨水排水路

プロジェクトの概要

このプロジェクトでは、ブバネシュワール市及びカタック市の下水道施設、雨水排水施設の整備等を行うことにより、安定的な下水道サービスの提供を通じて地域住民の衛生、生活環境改善を支援しました。またスラムへのトイレなどの衛生施設の設置により、都市貧困層の環境改善に役立ちます。

(1) 対象地域名

オリッサ州ブバネシュワール市及びカタック市

(2) 事業概要

  1. 下水道施設(ブバネシュワール市):下水処理場(1 箇所/48,150 ㎥/日)、ポンプ場、下水管(254km、口径150-1,800mm)の建設
  2. 下水道施設(カタック市):下水処理場(2 箇所/52,200 ㎥/日)、ポンプ場、下水管(382km、口径150-1,100mm)の建設
  3. 雨水排水施設(カタック市):排水路(23km)の建設・改修、ポンプ場の建設、水門の新設・改修
  4. 社会開発:公衆トイレの建設(63箇所)、スラムにおける衛生環境改善、住民啓発活動
  5. コンサルティング・サービス(詳細設計、入札補助、施工管理、上下水道維持管理組織WATCOの経営改善・組織強化)