インドでは都市部への急激な人口流入や工業化に対して下水道整備が追いついていないため、汚水が未処理のまま河川へ排出されており、河川の水質汚濁と都市部の生活環境の悪化が深刻です。インド東部にあるオリッサ州は貧困率が国内で最も高い州で、州都であるブバネシュワール市は急激に人口が増加(1981 年:22 万人→2001 年:65 万人)していることもあり、下水道整備が追いついておらず、地域住民の衛生環境の悪化及び周辺河川の水質汚濁を生じています。ブバネシュワール市より25km北に位置するカタック市は、1949年まで州都として栄えた都市で現在も州内の商業活動の中心となっていますが、マハナディ川・カタジョリ川の中州に位置しており、雨水排水施設が不十分で雨期には市内の低地が冠水します。また人口増加に対して下水道施設の整備が追い付いていないのはブバネシュワール市と同様です。
このプロジェクトでは、ブバネシュワール市及びカタック市の下水道施設、雨水排水施設の整備等を行うことにより、安定的な下水道サービスの提供を通じて地域住民の衛生、生活環境改善を支援しました。またスラムへのトイレなどの衛生施設の設置により、都市貧困層の環境改善に役立ちます。
オリッサ州ブバネシュワール市及びカタック市