ヨルダン国は世界で最も水資源の少ない国の1つです。首都アンマンにおいても、配水管を通じた給水は週に2~3日(50時間)程度しか行われず、多くの市民は各家のタンクに水を貯めて利用しています。他の多くの地域では週に1日程度の給水しか行われておらず、給水環境は極めて厳しい状況です。また無収水(収入にならず失われる水のことで漏水や盗水があります)は45%を占めており、水道事業体の経営と共に水資源の有効利用にも多大な影響を与えています。
弊社では1994年からヨルダン全土において浄水場・ポンプ場・配管網の調査・設計・施工監理を始め、上水道整備を担当するヨルダン水道庁(Water Authority of Jordon、WAJ)の無収水削減能力強化の支援を継続的に実施しています。
バルカ県のデルアラ地区(1次)とアインアルバシャ地区(2次)の水道施設の整備を目的としています。両地区は地形の高低差が激しく、ポンプによる配水を主体にしていますが、配水管網の老朽化が目立ち高いポンプ水圧で大きな漏水を引き起こしています。
プロジェクトは適正な水圧で配水できるように、既存の配水システムをポンプ配水から配水池からの自然流下による配水方法に切り替えること、老朽化した既存の配水管網の更新を目的としています。弊社は調査、計画、設計、積算、施工監理から水道施設の運営維持管理に関する技術指導(ソフトコンポーネント)まで一連の業務を担当しました。
デルアラ地区はヨルダンの中でも最も水道施設の整備が遅れた地区であり、ヨルダン渓谷に沿った配水本管には未だ多くのアスベスト管が残っています。アスベスト管の更新が最も優先する課題でした。プロジェクトの内容は以下のとおりです。
ザイ浄水場からダブーク配水池間の送水本管から分岐し、分岐部の水圧を利用し既存の配水システムを更新することを目的としています。プロジェクトの内容は以下のとおりです。